あいつとララバイに出てくる「750RS」

750RSが発売された背景

750RSが発売される前に、カワサキは1972年に排気量903ccのZ1を発売しました。
このZ1は、ヨーロッパでとにかく凄まじい人気モデルとなっていた為に、日本国内でも興味を持っている方が沢山いました。
しかし、日本国内ではバイク業界の自主規制によって750ccを超えるモデルの販売が実質上禁止になっておりました。

そのため、903ccのZ1に変る国内モデルの開発が急務となりました。
Z1は、アメリカで人気の大型バイク、ハーレーを想定していた為に、Z1の大排気量化は想定していましたが、エンジンをボアダウンする事を想定して開発されておりませんでした。
そのため、国内用に903ccのZ1をボアダウンした物を開発しようと思った場合、ボアだけでなくボアとストロークの両方を変更する必要がありました。
非常にコストのかかる作業ではありましたが、Z1の排気量を746ccにする事に成功したとし750RSを1973年4月に発売する事ができました。

750RSの基本スペック

903ccのZ1をベースに開発されておりますので、当時の750クラスの中ではかなりハイスペックになっております。
エンジンは、Z2EE型746?空冷4ストローク、DOHC2バルブ並列4気筒となっており、最高出力は69ps/9,000rpm、最大トルクは5.9kg-m/8,500rpmと、大きな排気量に憧れていた日本人にとって満足できるスペックでした。
ブレーキは前が、シングルディスクブレーキで後ろがドラムブレーキが標準となっております。
近年、カスタムされた750RSに乗っている方の中には前後ディスクブレーキにしている方も多いなど、足回りのカスタムが人気です。

750RSを入手するなら

750RSは、既に発売停止してからかなりの年月が経過しておりますので、新車で手に入れる事ができません。
そのため、中古で購入するという選択肢しかないのですが、750RSの中古相場はかなり幅はあります。
750RSの中古は程度にもよりますが、170万円から500万円程度が相場になっております。
発売当時の価格からすると信じられない高額になっており、たとえ購入してもレストアが必要なケースが多いのでどうしてもお金がかかってしまいます。

そのため、同じカワサキの人気車種ZEPHYR750を750RSにカスタムするという方もいます。
ZEPHYR750のカスタムパーツとして、750RSの外装フルキットや、Z2テール、アップハンドル、メッシュワイヤー、タンデムバーなど色々なメーカーから発売されております。

ZEPHYR750も750RSの血を引いている後継車種です。
もちろん実際に乗り心地などを突き詰めていくと750RSにはかないませんが、最新機種ですので故障も少なく乗りやすい、なにより維持費などが少なくて済むのでZEPHYR750を750RSにカスタムする方が増えているのです。